東京国立博物館で開催されている“仏像”展を見学して来ました。
実は、同じ敷地内に有る“表慶館”の改修工事で当社の手摺用ワイヤーシステムが使われたので、取り付けを確認しに行くのが目的だったのですが、大半の時間は、“仏像”展に費やしてしまいました。
中でも国宝の“十一面観音菩薩立像”は、ホールの中央に展示され四隅よりスポットが当てられ、否が応でも見学者の目を釘付けにしておりました。
私も仏像の周りを一周してあらゆる角度から拝見いたしましたが、私としては、やや下方向からの右45度からのお姿がベストと思いました。
これほど多くの木彫りの仏像を一度に拝見するのは、初めての経験でした。部屋から出て何か“気”を頂いたような気分になりました。
隣の展示室には、江戸時代の木彫りの仏像が展示されており、その中でも「円空」作の“十一面観音菩薩立像”に心惹かれました。
大変素朴な荒削りな木彫りの仏像でしたが、これが心をなごます、なんとも言えない安らぎを覚える良いお姿の仏像でした。
二つの“十一面観音菩薩立像”を拝見し、円空のそれは、見る者に緊張感でなく優しさを感じさせる、大変印象に残る立派な仏像だったと思いました。今度は、現地のお寺にて再会したいと思います。
博物館を退館し、気分良く澄み切った空気の中、落ち葉を踏みしめ秋の上野を後にしました。