九月に入り大型台風が日本列島を縦断し多くの被害を残しました。
特に西日本の被害にあった方々にお悔やみ申し上げます。
学生のころより“建築やインテリア・家具”に興味があり建築や家具の展示会には良く行きます。
最初の就職先も輸入家具会社でした。
家具の製造から営業まで短期間でずいぶん大勢の方々にお世話になり“モノづくり”の楽しさを青春時代に味わせていただき、それが私の“モノづくり”の原点です。
そして今日の私が居ります。
家具を通してその器の建築にもより興味を覚えました。
終了まじかの建築展を二か所、やっと拝見しに行ってきました。
今月17日まで六本木の「森美術館」で開催されている、“建築の日本展”は、森美術館15周年記念展として“その遺伝子のもたらすもの”の副題の通り、古代から豊かな伝統を礎とした日本の現代建築が他に類を見ない独創的な発想と表現を内包することにより今日の日本の建築が世界から注目されているとしています。
展示会では9の特質で編成され、古代から現代までその底流に脈々と潜む遺伝子を考察され貴重な建築資料や模型など400点を超える多彩な展示内容で、大変見応えがありました。
私が実際に観に行った北海道“星野リゾート トマム”の安藤忠雄作「水の教会」と比較展示された「厳島神社」の展示や1796年作の世界的にも珍しい複雑な二重螺旋構造でできた仏堂建築、福島「会津さざえ堂」の模型なども展示されていました。
実物には中に入り螺旋階段を経験し大変不思議な構造の建物でした。
中でも日本が世界に誇る建築家「丹下健三」が1953年に成城に竣工した木造の自邸の三分の一スケールの模型は迫力があり、小田原の宮大工が再現し当時の暮らしの様子が想像できる立派な模型展示でした。
また近代の名作家具(剣持勇・長大作)に実際に座れる丹下健三研究室1955~1958作の「香川県庁舎」のラウンジ空間も再現されていました。
それ等に加え安土桃山時代の茶室 伝「千利休の待庵」も原寸再現され、わずか二畳の「わび」空間を自由に体感できるものでした。
興味がありすぎる展示内容で、すっかりくたびれ果てました。
又9日まで国立近現代建築資料館で平成30年度収蔵品展として「建築からまちへ1945-1970 戦後の都市へのまなざし」展にも駆けつけてきました。
資料館が収蔵している「坂倉準三・吉阪隆正+U研究室・大高正人」など有名建築家の建築資料群から「まち」や「都市」に関する資料の展示内容でした。
特に坂倉準三建築事務所の1964年頃の「新宿西口広場および地下駐車場」の透視図や設計図には、のちに独立し「アーキブレーン事務所」を主宰された方々のサインが図面上にかすかに見て取れ懐かしく思いました。
アーキブレーン事務所や大高正人事務所は、私が家具会社の営業先として短時間担当をしていたことも有り、40年前の自分を少しだけ顧みる懐かしい時間となりました。
その頃が懐かしいと思うようになったのは、やはり齢を取ってきたせいですかね。