No.377 ル・コルビュジエ展で残念な事。

 

 

元号が変わり節目となる五月です。

 

すっかり季節も心地良く感じるようになりました。

 

花粉の季節も無事過ぎて体調も程よく快適に過ごさせてもらっております。

 

 

2016年にユネスコ世界文化遺産に登録され、今年開館60周年を迎えた「国立西洋美術館」で二月より開催され今月19日まで開催されている「ル・コルビュジエ 絵画から建築へーピュリスムの時代 」展にようやく行くことが出来ました。

 

「国立西洋美術館」で開館60周年を記念して開催されているこの展示会は、20世紀建築の巨匠“ル・コルビュジェ”を中心にスポットを当て彼の原点を観ることが出来る内容です。

 

巨匠がスイスで生まれ芸術の中心地パリで「ピュリスム(純粋主義)」という芸術運動を推進した時代に焦点を当て、絵画、建築、都市計画、出版、インテリア・デザインなど多方面にわたった約10年間の活動を知る内容の展示会でした。

 

特に以前フランスに行った際にどうしてもこの目で確認したかった為、わざわざ遠方まで汽車に乗り訪ねた、巨匠ル・コルビュジエが1928~1931年に設計した、「サヴォワ邸」の建築図面とその記録映像は大変興味深く鑑賞いたしました。

 

また当時の記憶が甦り後日「サヴォワ邸」で撮った写真を見直して懐かしく思いました。

 

ただ展示会で残念なことも有りました。

 

コルビュジエとインテリアにおいてパートナーでもあった、“シャルロット・ぺリアン”が余り紹介されていない事でした。

 

彼女は、おそらく世界最初のインテリア・デザイナーでありモダニズムのパイオニアだと思います。

 

有名な家具のシエーズロング、バスキュラントやソファなどは、彼女が協力して製作されましたが、あまり彼女の名前は多くの方には知られていません。

 

自らの名前を出すことに無頓着だったようです。

 

昭和15年に当時の商工省の招きで来日し一年余りの滞在中にモダンデザインを各地で教え、ミニマルな昔の日本の「暮らし」を絶賛し日本のモダニストにも多くの影響を与えたマダム・ペリアン。

 

知る人ぞ知るその存在を展示会ではあまり語られていませんでした。

 

96歳で亡くなるまでパリで現役で活躍していたそうです。流石!

 

ペリアンが寝椅子のシエーズロングに横たえる姿の写真が目に焼き付いています。

 

ちなみに我が家にも同寝椅子がありますが・・・。