No.389 秋からそろそろ冬へ。

 

ここ数日の朝夕の天気は、体感温度での感じではポカポカ陽気の紅葉の季節から一転そろそろ本格的な冬支度をするような陽気です。

 

 

 

先日久しぶりに日光へ紅葉を見に行ってきましたが、今年の紅葉は台風の影響か紅葉が今一つです。

 

中禅寺湖周辺はそれでも混雑していたので、今回は霧降高原周辺の「霧降ノ滝」や「日光山輪王寺の並び地蔵」周辺に紅葉を期待しましたが、それでもいつもの日光の紅葉らしさは感じませんでした。

 

ただ霧降高原にある「山のレストラン」はオープンと同時に入れたので、窓際の席を確保でき滝を横目にしながら美味しい洋食を頂けて若干期待外れの紅葉を食でカバーした一日でした。

 

 

 

今月は時代こそ異なりますが、私が好きな二人の展示会に駆けつけることが出来ました。

 

二人とは、インテリアデザイナーの「倉俣史朗」ともう一人は、美人画の大家「鏑木清方」です。

 

倉俣史朗さんは、空間デザイン、家具デザインの分野で60年代初めから90年代にかけて世界的に傑出した仕事をしたデザイナーです。

 

日本固有の文化や美意識を感じる独自のデザインによってフランスを始め国際的にも高い評価を受け、そのあまりの独創性ゆえに「クラマタ・ショック」という言葉まで生まれました。特にエキスパンド・メタルで構成された家具は有名です。

 

残念ながら56歳という若さで91年に亡くなりましたが、その数年前に直接お会いして短時間でしたが二人きりでお話を伺うことが出来たのが良い想い出です。

 

 

 

もうひと方は日本画特に美人画の巨匠、の鏑木清方です。

 

鎌倉にある「鏑木清方記念美術館」には何度か足を運んでおりますが、現在竹橋の「東京国立近代美術館」で開催されている鏑木清方展では、1927年作の幻の「築地明石町」が特別公開されております。

 

特に長らく所在不明の為展示されていなかった、「浜町河岸」「築地明石町」「新富町」の三部作は、若い娘・夫人・年かさの女性との女三態とも言うべき構想が隠れていると言われています。

 

特に「築地明石町」に描かれている夫人は何か謎めいており、当時明石町は上流の夫人の散歩コースでその様子を描いた絵と本人は記述しているようですが本作を実際に拝見するともう少し意味深な物語も隠れているようで興味が尽きませんでした。

 

西の「上村松園」、東の「鏑木清方」と言われている東西の美人画の巨匠二人、昨年修復後鑑賞した松園の「序の舞」とこの「築地明石町」は、当然ながら甲乙つけられませんが、この「築地明石町」の夫人の着物と立ち姿、大変に魅力を感じた一作でした!