BLOG BACK NUMBER 2011.04


PRESIDENT's DIARY -社長日記

NO.183 「白洲正子 特別展」

最近はどうしても震災関連の話が多くなりますので、今回は少し話題を変えて美術館に行って感じた事を少し書きたいと思います。
東京の世田谷区にある「世田谷美術館」にて開館25周年を記念して生誕100年特別展「白洲正子 神と仏、自然への祈り」が開催されております。(2011年5月8日まで)
ご存知の方も多いと思いますが、白洲正子は、経済人でもあり吉田茂の政治ブレーンでもあった大変ダンディーな白洲次郎の奥さんです。
白洲正子は、1910年(明治43年)樺山伯爵家の次女に生まれました。幼くして能に親しみ14歳で女性として初めて能舞台に立ち、米国留学を経て白洲次郎と結婚。
戦後は一流の文化人と交流を深めながら文学と骨董の世界に没入し、43歳の時に能面を求め各地を旅しました。この旅が契機になり、その後日本各地の寺社を訪ね、背景になる歴史を記しながら、彼女の美意識に基づく知られざる神仏像を取り上げ、「西国巡礼」「十一面観音巡礼」等の紀行文を発表しました。
白洲正子さんに関しては多くの関連書籍が出版されておりますが彼女が訪ね記した言葉と共に、所縁の寺社の秘仏や神像、宝物など、国宝・重文を含む名宝約120件の一挙公開は、初めてだと思います。
それにつけても彼女の眼を通した神仏像の見方・考え方は、物事に関しての多角的な捕らえ方や掘り下げ方につながり大いに参考になりました。
今の時代次郎・正子のような一本筋が通った事業家・政治家・文化人が少ないのは、日本の教育に関係しているのでしょうか。
お二人が晩年住んだ、旧白洲邸「武相荘」にも一度足を運びたいと思いました。

NO.182 東京の夜。

東日本大震災から40日ほど経ち自衛隊や警察による行方不明者の捜索が連日続いております。自衛官や警察官が放射能汚染の危険にさらされる中での目覚しい活躍は、彼らの使命感によるところが大きいとの事ですが、本当に頭が下がる思いです。体に気をつけて頑張って頂きたいです。
現場の実情を後方にいる政治家先生達は、何処まで把握されているのか甚だ疑問に思っておりますが・・・
大震災の影響で、首都圏を中心に繁華街のネオンが消えて街に重苦しい沈滞ムードが漂っています。先日銀座に地下鉄で行った際、地上に出て驚いたのは、あまりにも街全体が薄暗く、これがあの日本を代表する銀座なのかと少し寂しい想いでした。
地下鉄の暗さも印象的です。ヨーロッパを旅した際は、駅構内はこんなものとの思いも有り、むしろ今までの日本の駅構内が明るすぎたのだと気が付く日々です。
節電が暗さに対する私達の意識に何らかの変化をもたらしていると思います。この暗さにも次第に慣れてきて東京の夜は、これまでむしろ明るすぎた、これが本来の東京の夜だ・・夜の暗さを再認識し、むしろ街の暗さを楽しむ余裕がほしいものです。
しかし東京育ちの私には、あのきらきらした銀座が恋しいです。
残念ながら私は、まだそこまでの境地には達していないようです。

NO.181 sinnsaide。

今日から4月です。桜の開花宣言も有り、これから春のうららかな季節になります。
東日本大震災の発生から早いもので3週間が経とうとしております。この間次から次ぎへ被災地の被害が増大している現実を我々は受止めなくてはならず、悲しみが増してきます。
地震による津波の影響は、自然災害から東電の原発の人災?を引き起こし、今や日本だけの問題ではなくなり世界の英知を結集し放射能の影響をいかに最小に抑えるかの問題に移って来ております。
東電のような社会インフラを担う企業は、事業継続が重要なのは言うまでも有りません。日本国民一人一人が、多少の不便を我慢して節電に協力しておりますが、この事態によって経済活動を底辺で支えている中小零細企業では、計画停電により機械が動かせず受注分の製品の供給がストップする事態が発生しております。すでにこの状態は大企業を支えているこれら中小企業の死活問題ばかりではなく日本のいや世界中の大企業の経済活動に大変支障をきたし始めております。
このたび私はBCP(事業継続計画)と言う事を学びました。これは米国において1990年代から2001年の国際テロの経験からITやシステム系統の維持だけでなく中核ビジネスの事業そのものを継続させる為のプランだそうです。まさに企業の危機管理の基本計画をなすものと思います。
震災により我々も多くの事を学びました。
特に私は、国際支援の大切さを感じました。困ったときはお互い様の精神は、世界共通の気持です。後々の思惑もあるのでしょうが、この際は、純な気持として受止めたいと思います。
震災対応の支援の申し出は、134カ国・地域39国際機関に上ります。心から感謝の気持で一杯です。日本も国際社会において重要な一員であると言う自覚をより持ち、これからも、今まで以上に世界に貢献できる国にならねばと思います。